メニュー

第三の窓(The third window)について

このコーナー(以後、窓と呼称)では、喘息やアレルギー・免疫に関して、院長自身の臨床経験や研究から得られた様々なことや、将来への展望や夢を記述して収めています。第一の窓「呼吸器内科」、第二の窓「アレルギー・免疫」では、基本的にはすでに確立、認知されている、いわば教科書的な内容や概念について主に解説しています。一方、この第三の窓The third windowでは、もう少し広く、私見や個人的見解、仮説なども取り上げているので、前者の二つとは別枠を設けて収納しています。名前の由来は、上から三番目であることが主な理由ですが、もう一つ、院長の思い入れがあります。

「The third man」という概念があります。高地や極地などで探検者が遭難し窮地に陥った時、気づくと自分等以外の何者かがいつの間にかそこにいて、彼等を導き、危機を救ってくれたと思わざるを得ないような不思議な体験を、多くの人が語り、報告しています。探検家でなくても、同様の第三者の存在は、日常生活の中での非常事態を経験した多くの人も述べています。この現象は、米国ミズーリ州セントルイスに生まれ英国にわたり、後にノーベル文学賞を受賞した詩人、T.S.エリオット(ミュージカルCatsの原作者でもあります)が、南極探検家の手記からインスピレーションを得て、彼の代表作「荒地 The Waste Land」の中に取り入れたことで、より広く知られるようになりました。原詩の中では、一人が極地の白い道の行く手を見上げると、仲間の横にいつももう一人、いない筈の誰かがいて、共に歩んでいるという内容です。

サードマンのような絶対的な存在とはなり得ませんが、いわば、「呼吸器内科」「アレルギー・免疫」という二人の旅人・冒険者が遥かな医学の道を進んで行く途上で、立ち位置を見失った時、行き先がわからなくなった時、方向に迷った時に、必ずしもエビデンスとして確立されたものではない(現実・事実とは認知されていない)考えや発想が、時にその領域を導き、新たな道を切り開くのではないかという希望と、そのために、私どもがこれまで得た知見や経験を通して得られたビジョンが、少しでも貢献出来ればという願いを込めて、「the third」という言葉にこだわり、表題としました。

最後に、T.S.EliotのThe Waste Landから、該当する部分を引用し、拙訳を添えます。

Who is the third who walks always beside you?
When I count, there are only you and I together
But when I look ahead up the white road
There is always another one walking beside you
Gliding wrapt in a brown mantle, hooded
I do not know whether a man or woman
-But who is that on the other side of you?

いつも君と並んで歩く 三人目は誰なのだ?
いくら数えても、君と僕しかいない筈なのに
白くはてしない道を見上げると
君の横にはいつも もう一人誰かが歩いているんだ
茶のマントにフードを被り、苦も無く君を導いているが
男か女かもここからは判らない
ねえ一体、君のその向こう側にいるのは何者なんだい?

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME