モストグラフ
モストグラフ (MostGraph)
患者さんに測定装置の先端に取り付けたマウスピースを咥えて頂き、安静呼吸を続けて頂きながら、装置から気道・肺に様々な周波数のパルスを送り、患者さんの胸部の振動を測定します。それを機械が計算処理することで、余分な成分を除去し、呼吸器系の抵抗を抽出して測定します。気管支がどれほど狭くなっているか、あるいは気道に炎症があることで気管支の壁が厚くなっているかを、ある程度まで推定することが可能です。
ここ数年間で普及して来た新しい検査法で、徐々に全国でデータが蓄積しつつあり、喘息の診療に大変有用であることが確立されています。例えば、ご自身の自覚症状が無く、治療の必要はなくなったと感じている患者さんでも、この検査を実施して、抵抗が上がっていた場合には、潜在的な気道の病変がまだ十分にはコントロールされていないことを示唆しており、治療を継続して頂く根拠の一つとなります。
一方で、女性の場合、解剖学的に気管支が狭い方では、喘息の有る無しに拘わらず、それだけで抵抗値が上がることも分ってきており、解釈は慎重に行う必要があります。